「湘南」の地名からうけるイメージは、スマートさと明るさ。
夏になれば色とりどりのヨットが行き交い、若者で賑わう一色海岸の葉山町。
明治の頃、イタリア公使レナード・マルチーノによって保養地として開かれるまで、葉山は山と海にはさまれた静かな小さな村であった。
その山ぎわに山口蓬春記念館が建てられている。
一八九三年、北海道松前町に生まれた山口蓬春は、戦後葉山に居を構え、彼の創作活動のもっとも充実した時期をここで過ごし、終生葉山を離れることはなかった。
ゆったりと落着いた日本住宅の庭に面したアトリエは、建築家吉田五十八氏の設計になるもので、簡素でありながら明るく、モダンな雰囲気を持っている。
このアトリエは画家が生前くらしていたままの姿で、絵筆も残されている。